中央線

 

水曜も泣けるほど嬉しい夜を過ごし、
木曜は歌を歌って健やかな夜を過ごした。
 
自分の中でそれが本当の本当であればあるほど、それは身体のもっと奥深くに沈んでしまっていて、なかなか表には出て来ないものだったりする。それなのに、浮かび上がって来そうな本当を誤魔化すために、わざとハイになったり、なんだかよく分からない自分を見せてしまったりして。そんな私に、だんだん冷たくなっていく夜の空気と街が、冷静や安らぎ、普段の静けさを思い出させ、そして傍らを歩く心地よさをも、ゆっくりと思い出させてくれたのだった。
 
時間の経過は、あっという間で。名残惜しく、それでいて切なさよりも前向きな、ありがとうという気持ちがして、コロッと大人になっては『またね。』なんて言ってその場を離れる。そうか『またね。』という言葉が、私は好きなのだ、と、その夜に知った。そして、『ありがとう』というたった一言。その言葉は、色々と隙間もないほど詰まっていて、細かいところまでは、全然語りきれないほどの色々色々色々な色々があるよなぁ…と。しみじみと感じたり。
 
とにかく、こんなふうな夜がきたことを私は嬉しく想った水曜日。
 
 
木曜日。会社に事情を正直に話して振替休をとって、ライブに備えた。平日はいつもライブをすると、バタバタと会場入りをしてリハーサルができないことも、ストレスだったから、お休みをいただけることがすごく有り難くてたまらない。代わりの日に、きちんとお仕事します!っていう約束も守れる。
 
すべては、歌うため。描くため。善いものを作り続けるため。
 
それだけ。
 
 
そんな木曜の夜は、フレデリック書院の山田庵巳さんとの対バンだった。いや、正しくは、山田庵巳さんのバンド、フレデリック書院さんとの対バンだった。
 
庵巳さんが、バンド!?っていう意外性が強かったのだけれども、素晴らしくハマりまくりのバンド仲間の皆様に圧倒され、私の身体はゆらゆらと自然とスイングしていて、いい気持ちで楽しかった。
 
リハーサルが終わってから、庵巳さんとバンドの皆さんとお茶に誘っていただけた貴重な時間のことを私は忘れたくない。
 
私は、初めての場所、やっぱり緊張してしまったなぁ。雑念もふりほどききれず。未熟だなぁ、とひしひしと感じた。これでいいわけがなかったけれど、次はもっと上手くやるぞ、と思う。
 
終わってから皆さんにお声掛けていただけて、嬉しくなるご感想も本当に有り難くて、でも、自分の中では、もっとよくできるはずだったから、そうなるように来年の1/8 池袋鈴ん小屋さんでのライブで、それが出せるように、頑張るぞ自分。楽しいってだけでいいわけじゃないし。かと言って、小難しくなりたいってわけでもなくて。
 
日常的自分への厳しさとバランスで、ピンチの時には、超適当精神を引っぱり出すっていうことを身体に覚え込ませたい。
 
なぁ。
 
 
ま、そう簡単にはいかないから  やる
やり続ける  であるからして
なかなか時間がかかることなのね
 
ハートが丸けりゃ 問題なし
 
 
なぁ〜ん
 
 
- 夜 -