スローでよろしい



「ムーハン」というお店に行ってみた。「海南(ハイナン)チキンライス」というのがちょっと前に流行っていたらしいけど、やっぱり私は、知らなかったなぁ。

このお店のチキンライスも美味しくいただいたし、食後に頼んだ、アイスチャイも、スパイスがきちんと自然な香りと味で効いていて、とても美味しかった。

好きだから戻ってきた西荻窪。昔住んでいたんだ、貧乏だったあの頃から気になっていたお店などなどに、今ようやっと入店する心持ちと金銭力が身について、本当におめでとう。と思う。

この街がどんどん好きになっていく。こんな風に人を好きになれたら、きっと離れたくないことでいっぱいになるんだろうなぁ、それは強い絆の理由だろうなぁ、と、一つの街を好きになってゆくことで、そんなことも思ったり。

昔々、あの頃は、お金がなくて、自信もなくて、歌うことしかなかった。歌うことしか考えてなくて、売れることも考えてなかったし、もう本当に歌うことしか考えてなかった。青葉市子さんや熊坂るつこさん、山田庵巳さんや双葉双一さん、中村サトコさんや矢野絢子さん、元たまの知久寿焼さんや石川浩司さん達が、目の前で歌っていて、本物ばかりが集うサンジャックというお店があったあの頃。
そこで私も気づけば何故か歌えていて、音楽と強者と魂の歌達がいつもそこにはあって。私は、それだけあれば、わりと充分だった気がするけど、当時、ボロ雑巾みたいな心持ちの女だったなぁ。なんていうふうに思っている。あの頃の自分は、自分を女とも思ってなかったし。
それも別に悪い事ではなかった、あれはあれですごく自分の人間としてのキャパが小さくて我儘で、世の中を知らな過ぎて楽しくやってたと思うし、歌えて満足なら、この上ない時期だったと思う。でも、お金がなくて、食べ物もなかったから、やっぱり不健康だったなぁ。それが、よろしくなかった。

当時の自分を知ってるファンの人達と語らえる時間が欲しいと最近思ったりする。あの頃の自分のことを教えて欲しい。
何故ならあの頃とは、だいぶん、自分は変わったと、自分でも思っているから。そして、あの頃の自分をもう、自分は忘れかけてしまっているから。

当時の脳内ホームページも削除してしまったし、なかなか思考深くて面白かったんだけど、きっと、行き過ぎていたところもあったしなぁ。でもまぁ、精神状態が悪くても、絶えずに希望を見ていたことは、ずーっと変わらないし、どんなに不健康でも、苦しい愚痴を広げないようにと、努めていたようにも思うから、あのホームページは、消さなくても良かったかもしれない。


とてもいい時期だったし。

はっきり言って、一人暮らしじゃなかったこと以外は、最高の時期だった。


いい意味で、魂が宿り過ぎて怖いくらいの場所だったなぁ。いい意味で。


この連休、ライブもないし、すっぽりと空いた時間。西荻窪を歩くことにして、やっとこさ、当時をじっくり振り返ってみている。

苦しかったなぁ。でも、最高だったなぁ。


今でも歌えるだけで幸せなんだけど、
ごめんね、あの頃の自分。
今は、もう、私、
欲張りになっちゃったよ。


いろんな幸せをいろんな人達に教えてもらって、歌と女と生活と恋人と結婚と子供と家族と、幸せには色々あって。成長するたびに、なんか次のステージに行ける気がしてさ。

でも、ま。


ぜーんぜん、変わらず、歌うことしかしてないって、今日気付いたわよ。そうなの、こりゃ、ありがたいことだよ。


だから、これからきっと、まだまだ、色々、あるんだなぁ。


私はスローでよろしいの。
焦るとろくなことなかったし、狙いながらやると自分の場合は、必ず転ける。

ベストな選択をする為に、
自然の流れで、らしくスローに

進めばよろしいわ。

というわけで、
やっぱり最近、中毒みたいになって、情報と、自分発信に、目が回り始めたので、Twitterを控えることにする。覗かれるのは、好きなので、ブログできちんと文章化していくことで、自分を落ち着かせよう。


僕に還る。
そうすることにする。

スロー



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