おばあちゃん、ありがとう。

2021.10.12



おさんぽの途中、

この村に越してきて
はじめてのことが起きた。

やっと。


向こうから歩いてきた

おばあちゃんに

声をかけられたのである。



「あんた、どこに住んどるん?」



私は、ついに
この日が来たか〜!
やった〜!

と想い、

「すぐそこだよ」


と返事をした。


すると、おばあちゃんは
そのまま会話をつづけてくれた。


おばあちゃんは、
ずっと

自分の伝えたい事を
話していて
私は相槌を打って
聞いているばかりだったし


おばあちゃんは何度か
同じ話を繰り返したのだけれど、


そのお話が
いくつかの知恵・言葉が

えらく、私の胸に突き刺さった。




“一日の始まりに、
さ〜て、今日はどんな一日にしようか
ってまず考えて
明るくはじめてみなさい。“


“元気?って聞かれても
どこもかしこも
毎日どっかしら痛いから
何を持って元気って
言ってるか分からんけど、
痛いところがあって当たり前
だから
元気よ〜!って
答えるの“


“痛いって、
それは生きてる証拠よ。
死んだらなんも
感じなくなるんだから“


“歳をとったらね。
誰もエンジンかけてくれないよ。
自分で、よ〜し!って
エンジンかけて生きてごらん。
毎日、楽しむこと。
楽しかったら笑って
笑って、そんなふうにして
ある時、ふっ、、、、と
自分でも気づかないうちに
死ねたら一番いいわ“


“あんたといると
楽しい!ってそうみんなに
言ってもらえるんだぁ。
誰にでもこうして
話しかけちゃうから。
人と話すのって楽しいね〜“


“ありがとね!
また会ったら、
声かけてちょうだいね〜!“





私自体の話は
全然しなかったんだけど、

なんだか
私を勇気づけてくれたように
勝手に思ってしまった。

人生のアドバイス。


この私の一日のうちの
たった数十分の間に

おばあちゃんは、
いろいろな言葉を伝えてくれて

それらが
とても有り難く
そして、大切におもった。



何よりあのおばあちゃんの笑顔が
とっても最高で、
可愛くって、


思い出すと幸せな気分になる。



あぁ、私
あんなふうに
なりたい。


可愛いおばあちゃん。


ありがとね〜。



おばあちゃんが声かけてくれたことで
そんな想いが溢れる午後になった。



人は、心掛け次第で
一瞬で
人を幸せにすることができるんだ。






中田真由美