小野路やまいち

2019/04/20(土)

風邪をひいてしまった。風邪をひいてしまったのだけれども、今日はとてもよく晴れていた。昨晩のこと「神奈川県のほうで面白そうなフェスがあるから一緒に行こう」とお友達にお誘いいただけたので、今朝はどうしたものかと空を見上げると、頭上の青の美しさ故に、私はなんだかどうしても外を歩きたい気分、そっちにいきたくなっていた。普段なら体調不良で断っているテンションで目覚めたわけだけど、ギリギリまで悩んでいると「ほらほら、行かないと後悔するぞ。」と頭の中の私が言った。

私がそう言うんだから仕方がない、と、身体はメキメキ動きだし、シャワーをザバァーっと浴びて、服を着て、あれよあれよという間に、私は鶴川駅でおりていた。

それもそのはず。

今日のお祭りには、大好きな知久寿焼さんが出演するのである。晴天で行かないわけにはいかないのであった。

バスは大混雑しそうだったので、「歩こう!」と言ってお祭りの会場まで35分くらい歩いた。正直なところ、疲れた。汗だくで、でもなんだか、悪い菌は飛んでいなくなりそうだなぁ〜という気分だった。そこは、樹々に囲まれた森林の中だったのだ。

お祭りの名前は、「小野路やまいち」。
衣服や古道具、骨董品や、手作り雑貨、お酒や食べ物はごくわずかで、それらに囲まれて、手作りのステージが森の真ん中にあった。びっくりしたのは、音がとても良く聴こえた。

知久さんが歌っている。

暖かい日差しの下で、だんだんと夕暮れに近づいてゆく。いつになく、よーく表情を動かす知久さんは、とてもとても楽しそうだった。もののけケケケ!という歌は、何度かライブに行っているけれど、私は初めて聴いたのだった。周りの子供たちは、その声色の面白さに魅力を感じ取ったのであろう、それまでそっぽを向いて遊んでいた子供も首を完全に知久さんの声の鳴る方に向けて、笑顔になっている。なんなら一緒に歌い出しそうな雰囲気だった。

こんなふうなのもいいなぁ、外で聴く知久さんの歌もやっぱり最高だ。

私はそう思った。やっぱりここへ来れられて良かった。風邪ひいて寝込んでる場合なんかじゃなかったのだ。ははは!

このお祭りでは、ドラム缶でピザを焼いてくれるところもあって、予め用意してある生地の上に自分で具をトッピングしたものをおじさんに渡して、渡した後は、炎の力が素晴らしくて、約4分ほどで焼きあがるのであった。

自分で作ったみたいな気分で食べた、焼き立てのピザは、最高に美味しかった。さっきいっぱい語ってくれたドラム缶の火をこよなく愛す出店のお兄さんも、なんだか素敵だったし。

コーヒー屋さんのお兄さんも素敵だった。
汗だくで歩いてきた、と話すと、「そりゃあ大変だったね!じゃあサービスにお菓子も付けるよ。」と言って美味しいお菓子を2つもつけてくれた。その前に頼んだフルーツケーキも300円のところを200円にしてくれた。なんてサービス精神なのだろうか、ん〜。サービスじゃなくて、これは人としての思いやり。だ。きっと。

それから、木のぬくもりのあるオーディオスピーカーの展示なんかもあって、とても良かった。あのスピーカーで音楽を聞いたり、映画を観たりしたら夢のようだなぁと思う。

そして、そのすぐそばには、知久さんがオートクチュールで作ってもらってる。というギター専門の工房があって、私はなんだか喜びを感じた。まさか、そんな貴重なお店の場所まで知られるとは思わずにここへ来たのだから、ラッキー感がハンパなかったのである。

知久さんのライブが終わった後、マネージャーのめぐさんにご挨拶しに行った。そして知久さんにもご挨拶をしたら「おお!真由美ちゃんじゃないか!飲みに行かないの〜?」と誘ってくれたのである。うわぁ!行きたい!と感動して、めまいがした。笑。しかし、今日このままお酒を飲んだら何か、いけない、ご迷惑をおかけする気がする、、、と得意の自制心が私を制御したので、渋々帰ることにした。

その後の知久さんは、CD販売の大行列に大忙しになっていて、54歳、初めてのソロアルバム発売、やっぱりカッコイイなぁ〜と私は思った。私もあんなふうに潔く生きていたい。。。

樹々は鮮やかな緑で、花々ははっきりとした色で咲き誇っている中、こうして私も歌いながら生きてきて、大好きな人の歌を聴きに来られることが、幸せすぎた。

誘ってくれたお友達にも大感謝です。

いろんな形でいろんな素敵を見いだしていこう。また来年も、この「小野路やまいち」に来られますように。