きもちいい


2018年2月13日(かようび) 晴れ

まるで夢のような場所にキレイに咲いていた花がある。でも夢だから、きっとそれは夢だから…と想い、あえて立ち止まってじっくりと見つめることもなく、わたしはそのまま背を向けて歩き出していた。

しばらく時が経ち、ふと気がつくと、なぜだろう。あの日通りすぎたはずのキレイに咲く花が、今度は目の前で咲いている。どうやらあの日と同じ花のようで

向かう先で手を振るように目の前で咲き誇っているのだ。

妙だなぁ、と思わされながらも、目をそらしたが、それは、次第にゆら〜りゆら〜〜りと大きく揺れだし、どうしても気になるので、素直に見ていたところ、おかしなことに、わたしもゆら〜りゆら〜〜りと身体ごと大きく揺れている。

どうしたものだろう。

これではいけないと思い、地に足をねじ込もうとしたその瞬間、あれ?地に足がつくどころではない。突然の強い風が「びゅ〜〜ん」と大きな音を立てて吹いていたのだ。
そうして、今まで感じたことのないほどの勢いで風に巻かれたわたしは回転しなから宙を舞っていた。

すべてがグルグルまわっている。
重力を感じながらもグルグルグルグル。
回転しながら見る景色は、次第にゴッホの描く油絵のように美しく目に溶け込んでゆくではないか。

ああ、なんてきもちいいのだろう。

おかしなことに、わたしは、そう想った。

そして、今まで来た道やこれから留まろうとしていた場所や持ち物や明日のことなどを忘れ、ただ、そこにある、「ソレ」を心でギュっと抱きしめるように、愛おしく想えた。

すべては、このためにあるのか、
とすら想えてならない。



…目を見開いていたはずの目がまた覚めた。人にはいくつもの瞼が存在するのかしないのか。

寝ても覚めても、今でもわたしは、グルグルグルグル回りながら、宙を舞っているあの感覚から離れないでいたいと願っているのである。

感じていることを 感じていると 感じる
その時間が このグルグルの中には存在している。
そして、そのものの美しさや、感触や、現在自分の身に起こっている出来事を
「きもちいい」と想わせているのであろうと思う。



そして、あのキレイに咲く花は、
感じとる力や時間を自ら捨て去ろうとしたわたしに対して、目の前で咲き誇ることで、気づきを与えてくれようとしていたのかもしれない。

目をそらしても、風がそうさせず、

回転の中で重力も、身体を運ぶための力となり、

訳がわからなくても、景色は絵画のように、美しさを語りだす。


生きることのきもちよさ


わたし
感じることを粗末にしたくないんだなぁ。
すべてを感じとると辛いけど
感じながら、はしゃぎまわる人生を
選ぼうと  おもってる。
そんな素敵を体現したい。

だから、共有し、互いに
「きもちいい」を大切に選び続けたいな。

な。な。な。