群馬のひととき〔2日め〕

 

8月8日(火)  雨曇りからの晴れれぇ

 

 

朝目が覚めると、みんな起きていた、予想はしていたけれど、一番遅く起きたみたい。(1番先に眠ったのにねぇ。笑)

 

あさごはんを、台所で和美さんがせっせと作ってくださっていたのだけれど、その後ろ姿を見つめていたら、不思議と和美さんは、今日は私のほんとうのお母さんだ。みたいな気持ちになってしまった。

 

朝、お味噌汁や炊き立ての雑穀米などを食べるのは、久方ぶりで、しかも今日だけ私のほんとうのお母さん?(私の中でそう勝手に設定された、笑)が、手作りしてくれた朝ごはん。・・・えらく、感動してしまった。

 

すると、操り人形師の山本由也さんが台所にやってきて、

「今から、夏秋さんがひと吹きするから、そうしたら朝ごはんにしよう。」と言った。

 

テーブルの上の朝ごはんは、しばしお預けとなって、

和美さんも私も少しだけ戸惑いながらも、夏秋さんが離れの小さな小屋のステージから、

山々にご挨拶をするようにコンツォフカという楽器(笛?)を 吹くと、

あさごはんのことが吹き飛んで、私たちは、その音に耳を傾けながら、

自然界と調和する夏秋さんを見て聴いていた。

 

・・・最高の朝だなぁ。

 

と私は思った。それに夏秋さんの奏でる音に応えるように、鳥たちが「ぴーーーー!」と続いて歌うので、私は、驚いてしまったのでした。ほんとうに素敵なことを教わっていると思いました。

 

そうして、夏秋さんが山々へのご挨拶を終えて、こちらへ戻ってきてから、みんなでテーブルを囲み、「いただきまぁす!」と朝ごはん。なんだかやっぱり大家族みたいだぁ、、、と思いながら、野菜いっぱいのお味噌汁や、ねばねばオクラとろろ納豆や、たくあん、サラダなどなどをもりもり食べて、食についてなどを ハリガヤさんに教わりながら、朝も充実した時間を味わえた。

とにかく、みなさんと一緒にいるだけで、最年少の私は、勉強になることばかりで、自分はじっと黙って、みんなのお話、言葉ひとつひとつに意識を働かせて味わっていた。それに、今日も朝から始終、みんな笑顔。エネルギーに満ちている。

 

ごちそうさまをして、一休みしてから、次は、明日の準備時間。

今日来るみんなとの流しそうめんの竹を割ったり、節を取ったり、組み立てて、最後にテストをして、、、その工程どれも、みんな本当にぬかりのなく、いいものを作ろうと奮闘して、まるでひとつの作品・舞台をみんなで作っているような感じで、さすが、人形劇の座長由也さんの監督力は、すごい! そしてみんなのアイデア力と、姿勢が、すごい! (私は、初めてのことばかりで、言われるままのことしかできなかったのだけれど、見て学んできたので、次に誰かと竹を使って流しそうめんするときは、大活躍できると思う!そんな自信ができた、笑。)

監督の希望で、ものすごく長い、長い、コースで作ったので、見た目も「おぉ~!」と驚けるものがある。

 

そうして、テスト流しもバッチリ完了して、達成感も味わった後は、お昼ご飯で、また和美さんが「皿うどん」を作ってくれたので、それをむしゃむしゃバリバリ、音を立てながら、おいしくいただきました。いろ~んな物事を味わっっていたなぁ・・・

 

夕方前になると、この日から参加のみなさんが、大勢集合しました。

ほとんど知らない方々ばかりだったのですが、お子様もいらっしゃってて、み~んなおのおのの場所で、おのおのを楽しんでいる時間があって、そこでは、ずっと、ずっと、演奏家のみなさんの音楽が好き好きに演奏されている最高の空間がありました。

 

"自然とそこにあるものごと ” について、私は一人、考えていました。

感じながら、考えずにいられなかったのでした。

 

そのうちに、よるごはんの支度もたくさんの方々が協力して整っていって、すごくにぎやかにテーブルを囲み、

夜のこの群馬でのメイン企画がスタートしました。

 

ステージでは、みわふくさんという方が舞い、生即興演奏とともに、音楽と舞いの即興ライブが始まりました。

ものすごい熱量! 全体の空気の質が、ごごごごっと音を立てて、高まっていくようでした。

もう、ほんとにかっこよかった皆さん。

 

わたしも歌わせていただき、合わせて演奏してくださる皆さんのことを感じながら、

なんだかすごいところに来てしまっていて、すごいことをしているのだぁ~!ということを大変有り難く思いました。

終わってみて、隣で演奏してくださっていたカツさんという色々楽器を演奏される方が、「すごくいいよ、ほんとに、明日も一緒に演奏しようよ!」と言ってくださって、私はモジモジと、嬉しかったのです。

 

由也さんのお人形たちも動き出し、踊りだし、かなり間近でまた由也さんの表現されている世界観を味わうことができまして、贅沢すぎる・・・と思って、体中が何かの想いでいっぱいになってしまいました。

山本由也さんの個展 東中野ポレポレ坐で、また共演させていただける10月。光栄ですし、ほんとうに楽しみでなりません。

今年は、私が「(人形)ロバのプラテーロ」さんのテーマソングを書き下ろすことになっております。

がんばります、笑

 

そんなこんなで、夜も更けてゆき、ほんとうの満月が私たちの真上にぽっかりと浮かびあがり。

雲の切れ間から顔を覗かせる満月さんは、言葉に表すことも、写真に写して残すことも難しいほどに美しく輝いておりました。

台風などがきて、雨も降ったし、雲ももくもくだったのに、こんなふうに美しい状態の月を見られたことは、ラッキーだったのだと思います。

ほんとうに、ここに来られてよかったぁ~。と思いました。

 

その後、月明かりの下で私たちは、「特別な線香花火」を体験させていただき、その線香花火も、ドキドキしながら最後までじっくり静かに楽しませていただきました。。。ほんと、キレかった。 その後、少し子供たちと3人だけで、夜の草むらで昆虫を探したりしてお話できたことも癒されました。子供たちの思考は、私にはちょうどいい感じがして。

 

美しいとか、たのしいとか、そういうことも、連日たくさん味わいすぎると、自分が分からなくなったりもして、そういうことにも少々戸惑いながらも、私は、いろいろ感じたことをどっと胸にしまい押し込んで、なんだか、ぼーーーっとふらふらーーーーっとしました。

 

明日、帰るのか、、、

そう思いながら、お風呂に入って、、、、

 

 

またバタっっと眠っていました。。。笑

 

 

 

                   つづく